<漆黒の中の青いバラの花>
最近、久し振りにJAXA (宇宙航空研究開発機構) のホームページを見ました。
アクセスする目的は、気になる小惑星探査機「はやぶさ」が今どうなっているかです。

イトカワという小惑星からサンプリングした資料(恐らく採集出来たであろう)を持って地球へ帰還している「はやぶさ」が、その後無事帰還の旅を続けているか?というのを知るのが楽しみであり、心配でもあるわけです。
イオンエンジンでこのような長期間の航行を行ったのは世界初ですし、このような高度な技術は、NASAのレベルを超えています。当初、他のエンジントラブルはあったものの、なんとか、イオンエンジンのおかげで、ここまで来られたようです。
(想像図はJAXA資料です)
1月13日、現在、「はやぶさ」は、徐々に地球へ近づく軌道へと移り、地球の引力圏の内側(約140万km)を通過する軌道に乗って地球から約6,000万kmの距離を航行しているそうです。
こうした、記事を読んで、ホッとして次回の結果データを楽しみにしている次第ですが、ついでにこのサイトの他の情報に目が行きました。
その中では、今年、打ち上げ予定の「あかつき」があります。これは、金星探査が目的ですが、ユーチューブでこの説明ビデオを観ると、とても複雑で様々な技術を駆使していることがわかります。

今から、50年前の小学校の頃、金星のSF小説を読んだり、映画にも登場した魅惑の惑星なのですが、当時としては、宇宙服を着れば金星の大地に立てるという金星の状況でしたが、どうも、それはとんでもな誤りで、とても過酷な環境のようです。
大気にしても、何層からなる金星では「スーパーローテーション」と呼ばれる猛スピードの風がすべての場所で自転と同じ方向に吹いていて、その風速は上空60kmで時速400kmにもなるそうです。(写真はNASA資料より)
今回、飛び立つ「あかつき」は、大気と地表のデータを遠近で5種類のカメラで収めて分析する予定です。カメラといっても、一般的な可視光だけでなく、遠赤から電波までのセンサーを利用しての立体的な大気の構造を調査できるということですから、まさに、日本の技術の見せ所でしょう。
そうした、一見、金星の大気やその気象を調べて何になるの?といった疑問が一般人には出てきて、それこそ、昨年の事業仕分けなどの予算審議を受ければ、削減!となりかねませんが、実は、金星と地球の気象の違いを比較することで、地球の今後の気象予測というものに参考になるという、比較惑星学としての意義があるということです。これには、納得できますね。
このサイトを見終わって、次に、昨日の夜、NHK番組を同じパソコンを使ってフルハイビジョンで見ました。
アンデス山脈の高度5000メートルのところに世界各国から66台もの電波望遠鏡を設置する計画の状況特番です。この計画は、アルマ計画といいます。アルマは、アタカマ大型ミリ波サブミリ波干渉計のことだそうです。

要は、数十台の電波望遠鏡を駆使して、分解能がすばる望遠鏡やハッブル宇宙望遠鏡の約10倍もの能力をもたせる試みのようです。
一般の人にとっては、天体を観測するということが可視光で見ることと理解されていますが、天体から発する、X線をはじめとした様々なミリからサブミリ波といった様々な電磁波が宇宙を飛び交っているのを分析することで、天体の様子が、又、違った状況で間接的な捉え方により視覚認識できます。
(写真は自然科学研究機構の資料より)
宇宙の神秘が科学技術によって、次々と解明されていくこのすごさ、そうした技術は、わずか、ここ50年足らずなのですから、この科学技術の進歩にただ驚くばかりです。
いろいろと、こうした内容を見ていきますと、現代の科学技術は一人の人間だけで推し進めることができるものではないと、改めて気付きます。ロケット開発技術にしても、過去、ツィオルコフスキーや、ゴダード、そしてフォン・ブラウンなどといった個人が占める技術の割合を超えて、現在では、プロジェクトによる大規模な開発事業構成となっています。
宇宙の謎を科学の力で解き明かす工夫が組織立てされていくにつれ、逆に、個人の存在がちっぽけなものに感じてしまいます。宇宙にロマンを感じるとは、個々の人の心なのですが、それがきっかけに解明する為の技術開発が、人の心からロマンを奪ってしまいそうに思えるのですが、まだまだ、それでも宇宙は謎だらけです。
私が生きている間はもちろんのこと、人類が存在している間ですら、宇宙は謎に包まれたままなのだと思います。つまり、楽しみは尽きないということですね。
by 大藪光政
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