福岡市東区奈多に『まみずピア』という海水淡水化センターがあります。
そこに、見学に行ってきました。
海水から真水にする技術は何通りかありますが、この『まみずピア』にある設備がもっともコストと機能の上ですぐれている設備のようです。海外で・・・サウジアラビアでしたか日本の技術で、海水から真水にするプラントを建設したニュースをテレビでみたことがあります。
福岡市も過去、水飢饉に悩まされた時期がありましたが、それは大変深刻な事態だったのを今でもよく覚えています。さいわい、私の家はボーリングして岩盤の水を水道水があるにもかかわらず、家庭で使っていましたから影響はまったくありませんでした。
さて、近くにこうした施設が出来たことは知ってはいましたが、見学は初めてです。原理としては逆浸透圧の原理を応用して作られたものですが、施設の全体を見学して様々なベーシックな原理をフルに活用していることがわかりました。
最初に取水するとき、海底に埋設することで、砂の濾過の機能を利用してきれいな海水を取り込みます。そして次に、海底と施設の貯水槽にて落差を設けることで、動力なしで施設の貯水槽に取り込めます。
あとは、ポンプで施設の中に取り込み、最初は不純物を濾過するUF膜濾過水槽に入れ、次に高圧ROポンプで高圧RO膜設備で真水と濃縮された海水とを分離させます。
次に、気温の変動などによる真水の質を一定にさせるために、さらに低圧RO膜を通して真水を作り上げます。
出来上がった真水は、水道水と半々にブレンドして家庭に供給されます。
これは、真水のままだと水道水としての規格にはずれるからです。でも、飲んでみると真水の方がおいしいからへんですね。そして、濃縮海水は、一部は塩を生産している業者に引き取られ、多くは、下水処理水と混合させて海へ還します。この混合海水は、近辺の海水を浄化させる働きがあるそうです。
真水の生産能力は25万世帯分の供給能力があるそうです。そして、私が住んでいる福津市にも供給されているということです。この施設では夜間はたったの二人だということですから、如何に自動化されているかおわかりでしょう。
中央監視制御室は、施設全体を把握し、コントロールできるようになっています。そして、この施設には自動ゲートがあって、無断ではい込めないようにセキュリティも整っています。
水を作る採算は・・・100円/㎥の割高のようです。そして、肝心の設備投資は・・・約400億~500億円掛かっているようです。投資メリットとして高いのか安いのかはわかりませんが、ダムを作るよりも時間が掛からないのが利点のようです。
一度見学されてみませんか?
もちろん見学費は無料です。
by 大藪光政